獅鷲



「ま、まさか春樹が理事長やってるなんて知らなかったし、そんなこと一言も言ってくれなかったじゃん!それに!!それに…、本名はあんまし知られたくないし」



春樹にはまだあたしの全てを話した訳ではない。だから、何故本名で学校を通わないのかは分からないと思う。




「まぁいい、お前のクラスは5組だ」




やっぱりね、春樹は優しい。



あたしの言いたくないことをすぐに察して聞かないようにしてくれる。





春樹はそれからどこかに電話を掛け始め、



「1分で来い」



彼はその一言の用件だけを言い切り電話を切った。






……48、49、50。




あと10秒だ。






――バンッ




長針が調度12時を指し、キッカリ1分になったところで勢いよく扉が開いた。




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