ダークエンジェル
「だけど、カイルが日本に来ることがあったなんて…
見ていたら、きっと苦々しかった事だろう。
アレは、私なりに考えた事だったけど…
やはり無理があったようで見事に消えてしまった。
しかし、こうしてカイルの事が分り…
ああ、今では君はハワード家の当主になっているんだね。
私の中では、君はいつまで経っても私が愛したソフィアの息子だ。
信じられないかも知れないけど、
ほら、これを見てごらん。
偽装だけど、16年前、ソフィアが作った証明書とパスポートだよ。
君ははっきりと私の息子、
もっとも人種が違うから君は私の妻・ソフィアの連れ子、となっているだろ。
これが出来たから、
数日後に出国する予定だったんだ。
龍彦は6ヶ月ちょっとで取り上げられたから超未熟児。
だから一年はボストンにいた。
君のことが噂に上らないかと気にしていたが…
何も分らなかった。」
とにかく信秀は心のままに話しかけている。
「アレはガクトがママを誘拐犯のように警察に言ったから…
仕方がなかったのです。」
その時、カイルが父の言葉に反応して声を出した。
そう言えば、カイルも
父と話がしたいって、何度も言っていた。
それにしても、実の父親をガクト、だなんて…
本当に嫌って、いや、恨んでいたのか。
リュウはそんな事を思いながら、
自分の生まれる前のことに耳を傾けている。
「ああ、あの時、君はソフィアの言葉がよく理解できたんだね。
まだたったの5歳だったと言うのに。
君は泣きながら歩いて出て行った。
私のほうが耐えられなくて、
追いかけて抱きしめようとしていたんだ。
しかし、ソフィアに止められた。
あとで必ず取り戻すから、と言っていた。
彼女は強い心の人だった。」
「はい。ママは強い人でした。
でも… ママを殺したのは私です。
私がママの言葉を守らなかったから…
ママを殺してしまった。」
そう言ってカイルは足切断の恐怖に耐えていたことも含めて、
一挙に涙を流して泣き出している。
見ていたら、きっと苦々しかった事だろう。
アレは、私なりに考えた事だったけど…
やはり無理があったようで見事に消えてしまった。
しかし、こうしてカイルの事が分り…
ああ、今では君はハワード家の当主になっているんだね。
私の中では、君はいつまで経っても私が愛したソフィアの息子だ。
信じられないかも知れないけど、
ほら、これを見てごらん。
偽装だけど、16年前、ソフィアが作った証明書とパスポートだよ。
君ははっきりと私の息子、
もっとも人種が違うから君は私の妻・ソフィアの連れ子、となっているだろ。
これが出来たから、
数日後に出国する予定だったんだ。
龍彦は6ヶ月ちょっとで取り上げられたから超未熟児。
だから一年はボストンにいた。
君のことが噂に上らないかと気にしていたが…
何も分らなかった。」
とにかく信秀は心のままに話しかけている。
「アレはガクトがママを誘拐犯のように警察に言ったから…
仕方がなかったのです。」
その時、カイルが父の言葉に反応して声を出した。
そう言えば、カイルも
父と話がしたいって、何度も言っていた。
それにしても、実の父親をガクト、だなんて…
本当に嫌って、いや、恨んでいたのか。
リュウはそんな事を思いながら、
自分の生まれる前のことに耳を傾けている。
「ああ、あの時、君はソフィアの言葉がよく理解できたんだね。
まだたったの5歳だったと言うのに。
君は泣きながら歩いて出て行った。
私のほうが耐えられなくて、
追いかけて抱きしめようとしていたんだ。
しかし、ソフィアに止められた。
あとで必ず取り戻すから、と言っていた。
彼女は強い心の人だった。」
「はい。ママは強い人でした。
でも… ママを殺したのは私です。
私がママの言葉を守らなかったから…
ママを殺してしまった。」
そう言ってカイルは足切断の恐怖に耐えていたことも含めて、
一挙に涙を流して泣き出している。