ダークエンジェル
「それにね、カレンは口封じで狙われている可能性が高いんだよ。
点滴の事を誰から聞いたのか、
それさえ分れば、
せっかく新しく動き出す【キングワード財団】を
混乱させようと狙っている
黒幕を排除できるというものだ。
今のところカイルは何も心当たりは無いらしいが、
だけど、絶対に誰かがいるはず。
多分カレンか君たちの近い存在だと思うけどね。
私も龍彦も、16年、
その存在すら把握できなかったカイルだが、
輝いて生きていってほしいと願っている。
それだけだよ。
そうだ、すっかり冷めてしまっただろうが、
夕食を食べようじゃあないか。
私たちはこうして日本にいるのだから何も出来ない。
多分明日にはカイルから連絡があると思う。
ドリー、君はそれを聞いてからアメリカへ帰りなさい。」
信秀は最後まで穏やかな話し方で、その場を和らげている。
「父さん、カイルだよ。」
案の定、翌朝、
3人が朝食を食べているとカイルから連絡が入った。
「父さん、おはようございます。
あの件、解決しました。
朝、父さんから聞いて良かったです。
カレンとキースと言う少年、
うちの者が駆けつけたところ、
クロロホルムの類をかがされ、
車のトランクに押し込まれていました。
どこかの山に運ばれ、
人知れず殺されるところでした。
実行犯は金で雇われただけ。
黒幕はキャリーというドートンの娘とボーイフレンドでした。」
「ドートンの娘…
カレンには孫になるんではないか。
キースは異母姉弟だろう。」
信秀はドリーたちを躍らせた黒幕が、
ドートンの娘と聞いて驚いている。
それも、明白に血縁関係のある祖母や異母弟を
殺そうとしていたとは…
それもガクトの生き様のたたりなのか、と思われた。
それにしても、カイルの早い対応…
一瞬、信秀は今は亡き、
ソフィアの顔を思い浮かべた。
リュウは、固まっているドリーと共に、
黙って父の顔を見ている。