ダークエンジェル

「形はそうかも知れませんが、
私たちのような温かい家族の愛情などありません。

邪魔な存在だったようです。

カレンも祖母とは言うもののハワード家の人間ではない。

キャリーにとってはただ父から金をせびるだけの厄介な存在。

幼い頃、妹のローザが生まれる頃からドートンは愛人を作り、

以後、家庭内は冷たい風が吹いていた。

そんな中で育ったキャリーは、
いつもドートンを憎み、
折あらば懲らしめてやろうと思っていたようです。

彼女はドートンのような凡庸ではなく、
頭の回転の良い女のようです。

もっとも、表向きは金持ちの我がまま娘、として映っていました。

ところが今年に入って、
理学部の大学院生、ジェフリー・ミクシーという男と知り合い、

お互いに急接近して、
初めは父親の悪口程度だったらしいですが、

ドートンの死で、
会長の座がソージャに移り、

それまでの3年半、
会長の娘としてチヤホヤされてきた待遇と異なるものを感じ… 

そしてここに来て、
自分と2歳しか違わない私が会長になった事で、

私を殺せば、と言う愚かな思いを抱いたようです。

勿論、ノートンの入れ知恵もあったと思います。

大学院生だと言ってもたいした将来はありませんから、
キャリーと手を組み財団のトップを狙ったのでしょう。

初めからカレンやキースたちは始末するつもりだったようです。

ええ、そこにいる娘も一緒に。」



と、カイルは調べ上げた事を知らせてきた。



「それでカイルはどうするつもりだ。」


「これらは全て調査機関の者が調べた事ですから、
彼らのやり方を最後まで見たいと思います。

彼らは真剣に私と組織を守ろうとしています。

私が口を出すより、
私は彼らの実力を見てみようと思っているのです。」


「そうか。口は出さないつもりなのか。

それでカレンはどうなる。
一緒にいたキースは。」


「カレンが私を狙ったと言う事は、
エルザを初め調査機関の者たちは知っています。

でもキースは単なる巻き添えでしょう。」



カイルは淡々と話して、電話を切った。

< 139 / 154 >

この作品をシェア

pagetop