alternative
ホロリと。

晴の瞳から涙がこぼれる。

「人が…死んだんだ…あれだけ訓練して、俺はAOKを倒せると思っていたのに…間に合わずに何人も人が死んだ…目の前で殺されたんだ…」

「……」

ラルフはキュッとゴーグルを押し上げる。

「晴、俺達は神様じゃない。全ての人間を余す事なく救う事なんてできない。目の前にいながら助けられない命だってある」

「そんな事はわかってるさ…でも…身近にいる人だけでも助けたかった…」

俯いた晴の瞳から、滴が幾つも地面に落ちる。

「今回は偵察部隊の兵士だった…でもいつかは、訓練分隊の仲間が殺されるかもしれない…また俺が間に合わなかったせいで、分隊の仲間の誰かが死ぬとしたら…俺はもう分隊にいたくない…分隊の仲間の誰かが死ぬ姿を見るんだと思うと、恐ろしくてここにいられない…」

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