あたしを愛して。
「じゃあ、高校の卒業アルバム見てみなさいよ!」
真由は立ち上がると本棚から高校の卒業アルバムを取り出した。
真由はアルバムを1枚1枚ページをめくる。
それを見てなんだか胸騒ぎがする。
「ダメ・・・見ちゃダメ・・・やめてよっ!」
あたしは真由からアルバムを掴んだ。
「何するのよっ」
真由はあたしからアルバムを取ろうと、あたしの体を掴んで来た。
「ちょっ、何するのよっ」
「真由!分かってんでしょっ!現実から逃げるなっ」
真由はあたしからアルバムを取り返すと、個人写真のページを開いた。
「ほらっ!あんまは真由!国崎真由よ!」
真由が指差した女の子は
あたしの少し幼いあたしの顔で下に書いている名前は《国崎真由》と書かれていた。
「どういうこと・・・?」
あたしは由真。
崎根由真だ。
「ほら、あたしの写真の下!書いてるでしょ?あたしが由真、崎根由真よ!」
真由は強くアルバムを叩いた。
真由の写真がある下の名前・・・《崎根由真》を指さして。