「葡萄(ぶどう)を見つめるきつね」


きつねはいろいろなことを考えた。


棒でも採れない、それに猫と協力しても採れない。

では、どうやってあの木の実を採ろうか?


それを一日中、ずっと考えていた。しかし、妙案は浮かばなかった。


さらに困ったことに、たくさんあった木の実は猫と暮らしていたために、今は残り少なくなってしまっていた。

そこで、きつねは気分転換に木の実の採取に出かけた。


草原近くの森。

遠くに大きな生き物が見えた。それは、キリンだった。

キリンはのんびりと高い場所の草を食んでいる。そこで、きつねは思いついた。


「キリンさん、久しぶり。」

「あぁ、きつねか。どうした。そろそろ冬だぞ。」

「それはそうだけれど・・・。」

「食い物を集めなければならないだろう。頑張るがいい。」

「そこで!頼みたいことがあるんだ!」

「なんだ?」

「ちょーっと採ってほしい果物があるんだ。」

「そうか。採ってやろう。」


< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop