「葡萄(ぶどう)を見つめるきつね」
きつねはいろいろなことを考えた。
棒でも採れない、それに猫と協力しても採れない。
では、どうやってあの木の実を採ろうか?
それを一日中、ずっと考えていた。しかし、妙案は浮かばなかった。
さらに困ったことに、たくさんあった木の実は猫と暮らしていたために、今は残り少なくなってしまっていた。
そこで、きつねは気分転換に木の実の採取に出かけた。
草原近くの森。
遠くに大きな生き物が見えた。それは、キリンだった。
キリンはのんびりと高い場所の草を食んでいる。そこで、きつねは思いついた。
「キリンさん、久しぶり。」
「あぁ、きつねか。どうした。そろそろ冬だぞ。」
「それはそうだけれど・・・。」
「食い物を集めなければならないだろう。頑張るがいい。」
「そこで!頼みたいことがあるんだ!」
「なんだ?」
「ちょーっと採ってほしい果物があるんだ。」
「そうか。採ってやろう。」