「春夏秋冬」
自分は。一体。
ありのように勉強してきていた。それが正しいと思っていたから。
しかし、話を聞くだけでは少女の言い分も正しい気がする。
何が正解で何が間違いなのか。もしかしたら、そんなものはそもそも在り得ないのか。彼は、時間の許す限り考える事にした。
考えていると、朝食や夕飯が手につかない。さすがに親が心配していたのだった。そして、話しかけられた。
「あんた、最近食べてないけれど。大丈夫なの?」
「え?・・・あぁ。大丈夫だよ?」
「なんか悩み事じゃないの。いじめられてる?」
「ううん。進路がさ・・・。」
「あそこはどうなの?ほら、自転車で通えるあそこ・・・。」
「友達も、そこにいくって言ってた。どうなんだろう。
偏差値は低いんだけれど、なんだか・・・。めぐまれてる、って。そう言ってた。」
「あんたは引っ込み思案で友達できにくいんだから、一度ああいうところでぱーっと一花咲かせてみたらいいのよ。」
「・・・。」
「勉強も大切だけれど。勉強だけやってて他の大切な事が疎かになったら意味がないのよ?」
「うん・・・。」
少年は、考えた。
そして、親と一緒に先生と面接をすることになって。答えを出さなければならない時間がやってきたのだった。
彼は、相当迷っていたのだが、結局。
そして、冬。
彼は面接の対策を練っていた。推薦入試ができるかもしれない、と。もしそうなったら一足だけ速く高校生になることができるわけで。
間違いが無い限り、安心して進める道だ。そんな受験だった。
春。偏差値が低い、と言われていた。学習内容も確かに劣っているかもしれない。けれど。
それでも、楽しい高校生活が待っていた。
もちろん、となりにはあの少女が。
にこにこと、全てを知っていたかのように。