「春夏秋冬」


ぼんやりとテーブルの上の皿を見つめた。

これに何が盛られるんだろう。下らないことを考えてみる。


今日、あの少女の誕生日を聞く。


それだけなのに、何か新しい、特別な事をするような気持ちでいたので、こうでもしていなければ胸がどきどきしているのを収める事ができずにいたのだ。


一日を、特別なものにしたいのならそれなりに覚悟が必要だ。


もちろん、降ってくる幸運もあるのだが。それだけではチャンスを物にする事はできないのだ。


「お母さん?」

「ん?」

「女の子って何を貰ったら嬉しいのかなぁ。」


「赤飯にすればよかったわね。」

「真面目に聞いてるんだけれど・・・。」

「なおさらよ。」

「もう・・・。」

「個人の趣味によるけれど・・・。前々からそういうものは用意しておくものよ?」

「だから聞いてるんじゃん。」

「そうねぇ・・・。どんな女の子なの?」

「明るくて元気。時々真面目。」

「なるほどねぇ・・・。澤口さんでしょ。」

「・・・。」

「あの子は・・・。

夏が好きだから物よりもどこかに連れてってあげたほうが喜ぶんじゃないかしら。」

「そうなの?」

「海とか、ね。」

「じゃあ、そうしようかなぁ・・・。」


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