「春夏秋冬」


抱きしめたその身体は、とても小さくて、儚くて。折れてしまいそうで。

二人とも、自然と涙が出てきてしまっていたのだった。


夜。

旅館で。

浴衣に着替えて砂浜にもう一度やってきた。


花火をやるのだ。

最初は大きく派手な花火をやって楽しんだ。


打ち上がるそれは大きな音をたてて空へと舞い上がって行く。

そして、弾けてしまう。そして、手で持てる花火をやって彼女がそれを持ちながら踊って。


非常に危険だったが、それでも楽しかった。

禁じられた行為というのはそそられるものなのだ。やがて。


「線香花火かぁ。」

「ま、定番だね。」

「あたしは好きだけれどね。こういうのも。」

「前にもやってたよね。」

「あ、覚えてたんだ!」

「うん。」


ライターで火をつけてぱちぱち、と弾けるそれを見ていた。

じっと見ている二人。

彼はやがて線香花火に集中してしまったのだが。

どこかからか泣き声が聞こえてきたのだった。ふと、隣を見ると。


「うっく・・・。えぐ・・・。」

「どうしたの?」

「楽しかったから・・・。初めて、誕生日を誰かと過ごしたから・・・。」

「そうなんだ。」

「今まで、家族としか・・・。」

「そうなんだ・・・。」

「だから、こんなに楽しい誕生日は、初めてだったから・・・。」

「大丈夫。僕が、いつだって楽しませてあげる。」

「ほんとう・・・?」

「約束する。」

「いつも、いつだってだよ・・・?」

「うん。」



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