「春夏秋冬」
こんな事を話している間に休憩の時間となった。
先生がアイスキャンディを配って歩いている。ひんやりとしたそれは、とても美味しかった。
自販機で売っている冷たい烏龍茶が、喉を鳴らして嚥下していく。
今日は、化学だけで時間を潰せそうだな。と。勉強するのが目的なのか、あの少女と話すのが目的なのか。分からなくなっていたが、どうも時間を無駄にしている、という気にはならなかった。
充実した、いい時間だと思えるのだ。
化学を一生懸命勉強した。あの少女もにこにこしながら話を聞いていたので、集中できた。
そのまま夜になる。
夜。
先生たちが見回りにきている。
異変がないかどうかをしらべているらしかった。
そんなもの、あるはずもないのに。と、思っていたのだが。窓を見ると、明かりがついているのに気がついた。
そっとベランダから外に出て明かりのほうへと向かっていった。
「夜遅いよ?何やってるの?」
「澤口さんだって。なにしてるの。」
「花火。」
「なんで・・・。」
「楽しいよ?」
「そう、だけれど。先生たち、見回りしてるよ。」
「まぁ、見つかっても平気でしょう。先生くらいになら。」
「・・・。」