銀鏡神話‐玉響の驟雨‐
法皇様は威厳ある声で聖文書を唱えていたが、言葉が途絶えた。
何だ何だ?と、皆が法皇様の視線の先に注目した。
そう……黒いローブの人々の集団から、一人、自分に短剣を向け、走ってくる異端者を見つけたからだ。
「アイラ!!」
リリーが大剣を鞘から抜くと高々と頭上に上げた。
赤子や子供が泣き始める。
ピリピリし始めた、雰囲気の変わり様に気づいたから。
「分かってるよ……ったく。」
法皇様を一端、少し後ろに下がらせると、アイラは前に立つ。
腰から手馴れた手つきで二丁の拳銃を抜き取ると、向かってくる異端者に向けた。
「動くな、殺すぜ?」
「……お前がな!!」
声は予想通りフィルリアの声だった。
フィルリアは短剣をアイラに翳すと、詠唱する。
『万物の知神達よ、宿木の末裔・フィルリアが命ずる――――
矛の知と楯の知を、我に与えたまえ――――』
ヒュンッ
宙に浮くと、短剣は蒼い烈火を纏いながら、アイラに向かった。
『雷王鬼神の弾・スパルバーズ』
二つの拳銃から撃ち放たれた弾は、空を切り裂き進み行くうちに、黄色い雷の光を帯び出す。
「アイラの魔法弾だぁ!」
「やっちまえ!」
さっきまで怯えていた奴等は、皆アイラをまくし立て始めた。
くそっ……フィルリアがどんな思いかも知らずに……。
「……其処だ!」
人々の思う通りにいかないのが、物語の王道。
フィルリアは一本の長刀を抜くと、一瞬にして弾を真っ二つにした。
華麗に弧を描いた長刀を、瞬時に鞘に収めた。
「なっ!?」
考えてもいなかった事態に、アイラの顔は歪んだ。
「居合いか。 面白い……」
人々がまた慌てだした中、リリーがぽつりと言ってた言葉を、俺は聞き逃さなかった。
「ぐあっ……」
アイラの胸にさっきの短剣が突き刺さった。
その場にぐったりと倒れ込んだ守護隊長を見て、人々の不安はピークに達する。
「うわああああ!」
礼拝堂から走り、逃げ去る人々。
外への扉を開け、次から次へと出て行く。
「ギルバート! フィルリア!」
何だ何だ?と、皆が法皇様の視線の先に注目した。
そう……黒いローブの人々の集団から、一人、自分に短剣を向け、走ってくる異端者を見つけたからだ。
「アイラ!!」
リリーが大剣を鞘から抜くと高々と頭上に上げた。
赤子や子供が泣き始める。
ピリピリし始めた、雰囲気の変わり様に気づいたから。
「分かってるよ……ったく。」
法皇様を一端、少し後ろに下がらせると、アイラは前に立つ。
腰から手馴れた手つきで二丁の拳銃を抜き取ると、向かってくる異端者に向けた。
「動くな、殺すぜ?」
「……お前がな!!」
声は予想通りフィルリアの声だった。
フィルリアは短剣をアイラに翳すと、詠唱する。
『万物の知神達よ、宿木の末裔・フィルリアが命ずる――――
矛の知と楯の知を、我に与えたまえ――――』
ヒュンッ
宙に浮くと、短剣は蒼い烈火を纏いながら、アイラに向かった。
『雷王鬼神の弾・スパルバーズ』
二つの拳銃から撃ち放たれた弾は、空を切り裂き進み行くうちに、黄色い雷の光を帯び出す。
「アイラの魔法弾だぁ!」
「やっちまえ!」
さっきまで怯えていた奴等は、皆アイラをまくし立て始めた。
くそっ……フィルリアがどんな思いかも知らずに……。
「……其処だ!」
人々の思う通りにいかないのが、物語の王道。
フィルリアは一本の長刀を抜くと、一瞬にして弾を真っ二つにした。
華麗に弧を描いた長刀を、瞬時に鞘に収めた。
「なっ!?」
考えてもいなかった事態に、アイラの顔は歪んだ。
「居合いか。 面白い……」
人々がまた慌てだした中、リリーがぽつりと言ってた言葉を、俺は聞き逃さなかった。
「ぐあっ……」
アイラの胸にさっきの短剣が突き刺さった。
その場にぐったりと倒れ込んだ守護隊長を見て、人々の不安はピークに達する。
「うわああああ!」
礼拝堂から走り、逃げ去る人々。
外への扉を開け、次から次へと出て行く。
「ギルバート! フィルリア!」