始まりの音-絶対温度-
「あんたの笑い方太陽みたい。無駄に眩しいからどっか行ってよ」
淡々とした口調は全く変わらないのに、俺がドキッとしたのは、高見さんが物凄く自然に俺の笑顔を褒めたから。祥子ちゃんは下らないと言った感じでさっさと教室を離れる。
俺は祥子ちゃんの背中を追いかけながら、もう一度高見さんに向き直った。太陽みたい、だなんて台詞サラリというなんてどうなんだ。と思わないでもなかったけど、心になにか刺さったのは感じて、
「これ、作り物だよ」
なんで、そんな事を口走ったのか。全く分からない。本当に、ただの衝動だった。
高見さんは、眉を僅かに上げてから
「だから、何なの?」
そう、まるでそんな事どーでもいい事みたいに。
俺の思考はそこでほんの一瞬途切れて、あとはそれを隠すみたいに
「いや、別に♪またね、紗織ちゃん」
いつもの調子で軽く手を上げてその場を去った。