溺愛ダーリン&愛しのハニー
 「俺を気遣ってくれてるのか?」


 「別に…本当に怪我されたら困るからだ」


 「……」


 「…俺は誰にも負けない…。負けてはいけないのさ」


 「…あいかわらずの強気だな~」


 武士はそう言って、私たちに塔の扉を開けた。


 「どうぞ~」



 私たちは武士の照らす懐中電灯の灯りを頼りに螺旋状の石段の階段をゆっくりと上がって行く。


 所々には小さなガラス窓があり、月明かりを階段に注ぐ。


 
 そして私たちは屋上へ通じる場所まで来た。



 吹き抜けの場所で錆びついた大きな鐘が吊り下がっていた。


 音が鳴らないようにロープで固定。


 鐘の右奥に屋上に通じる小さな階段が見えた。



 

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