愛詩-アイウタ-
「無理無理無理!だったらひぃ一生乗れないよ」



 体重…ヤバいと思う。ゆみより小さいのに、ひぃのが重い。



 比較相手が悪い?



「うそ。乗せんに決まってんだろ」


「るぅさすがっ!ありがとう★お礼にひぃ、弁当つくる!」



「…作れんの?」



「何その目!ひぃ料理得意なんですけど」



 母親がずぼらだったから、小学生から自分の夕食作ってたし、中学で部活の時の弁当も作ってた。


 少なくとも、千切りを千回切るなんてことや、卵をレンジで温めることは、しない。



「あ゙ー…じゃあ頼むわ」



「了解!」



 そこで、音楽室に着いた。



 上履きを脱ぐ。



「あっ!るぅ、上履き脱がないの?」



「上履き置いたらバレるから脱がない!」


「そっかぁ!」



 言われてみれば、納得。



 なので脱いだ上履きを持って入ることにした。



 るぅはドアノブに手をかけてあけた。音楽室はたてつけが悪くて、ドアが開けにくい。



 開ける時にはドアノブを持ち上げないといけなかった。閉める時も同様。



 水原高の2年以上はみんな開けられる。…と思う。


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