愛詩-アイウタ-



 唐突な、るぅからの質問。



 どこまで進んだって、普通きくかなぁ。



「秘密」



 絶対言わない。



「ご想像にお任せします」



「やっぱり?」



「それに」



 ひぃは付け足す。



「きいた側から言わないと、フェアじゃないよね?」



「じゃあ、この質問なかったことで!」



「いい判断だね」



 実際、廉とはヤった。相手の家で。昔から顔馴染みだったから、よく遊びに行ってたし、本当に気軽に互いの家を行き来してた。



 仲がすごいよかったのに。



「廉、ね」



 変わったんだ。すごい。あんなに優しかったのに。



「薬始めてさぁ。頭狂ったみたいになってて…別れた…」



 別れようって、ひぃが言った。廉の親は薬をひぃにやめさせてもらいたかったみたいだけど、そこまでひぃは関わりたくなかった。


 薬、怖いし。あの日を思い出すから。



 狂った人間。



「オレ、絶対薬なんかやんないから!」



「当然だよ」



 一瞬視線を下げる。



「それが普通なの」



 涙が一筋垂れた。



「廉がおかしかったの」
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