愛詩-アイウタ-
「光璃」



「今はるぅが好きだもん」



 そう。もう、廉は。



 廉じゃない。



 廉はひぃがるぅのこと好きなの知っててきた。ひぃがかわいそうだって。



 だから、当てつけに使ったの。次第に好きになったけど、離れたのは利用した罰なんだって。



「わかってるよ」



 ひぃのせいなの。



「廉に別れようって言った時言われた…」



 “どうせ俺は代わりだった”


 “他に好きなやつが出来たんだろ”



 違うのに。廉は誤解して、不安で薬に頼ったのかもしれない。



 そう思うと逃げたくてしょうがなかった。



 手助けなんかしたくない。怖かった。



 薬を使っててでも、廉はひぃを忘れてなかった。



 きっとうらんでるんだと思った。だからひぃは逃げた。



 逃げるしかできなかった。



 絶対関わらないって決めた。自分を守るために。



「光璃…落ち着いて」



「落ち着いてる…ひぃは」



「オレがいるから」



「知ってる…」



「だから、安心して…」



 その言葉は“泣いていいよ”って言っているようで。




 泣いた。




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