君と見た空。
長くて、ちょっと薄暗く染まった廊下を、

僕はまっすぐ歩いていった。

教室が近づいてくる。


「さっきの人がまだいるかもしれない。」

そんな期待で、僕の歩く速度は

どんどん早まっていった。


『1-4』、『2-1』、『2-2』、

たくさんの教室の前を、

僕はいつのまにか走っていた。


『2-3』。

ハァ、ハァ、ハァ。息が切れる。


僕は閉められたドアから教室をのぞいた。


期待は・・・ハズレ。

教室になんか誰もいなかった。


「あの・・・これ。」

後ろから、声がした。



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