君と見た空。
もしかしてさっきの??


僕は勢いよく、声がしたほうを向いた。

今度は・・・オオアタリ。

さっき教室で見た、あの人だった。


「なななな・・・なんですか??」

思いっきりどもってしまった。

だって、だって、

遠くから見た姿よりも、

近くで見た姿のほうが本当に、

本当にきれいだったから――。


「えっと、これ、あなたのですか??」

透き通ったきれいな声。

このまま時間が止まってしまえばいい

とさえ思った。


「あ、そうですけど。」

あの人が持っていたのは、

僕が撮った、あの茜空の写真だった――。
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