何度でも君を・・・
それから、薄くメイクをして玄関に向かった。
「いってらっしゃ~い」
台所からお母さんの声がする。
「いってきま~す…」
そう言いながら、玄関の扉を開けた。
あたしはまだ靴を履いていなかったので。
下を向きながら靴を履き、顔を上げる――――と。
「ゆ…雄輔!?」
「おー」
あたしの家のちょうど前に、雄輔が立っていた。
「な…なんで?」
「だってお前、昨日の夜寝ただろー!」
う…そうでした。
「ごめん…」
「まぁ、いいよ!最初から舞ん家行こうと思ってたし!!」
雄輔はにっこり、笑った。
あぁ…あたしは、このにっこりの笑顔を好きになったんだっけ。
あたしがふと、思い出してると。
「じゃぁ、行こうぜっ!!」
雄輔があたしの手をつかんで歩きだした。
自然と高鳴る胸。
あたしは、薄っすら赤くなる頬をかくすように下を向きながら歩いた。