初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「……どうかしたの?」
記憶の中から香りの正体を探ろうと思っていると、ふわりと窓からこっちに顔を向けたシンさんと目が合う。
「あ――……」
思わず声をこぼし、目と目が合ったまま硬直。
ふわり、と同じ香りがもう1度、少し強く漂ってくる。
「さつきちゃん?」
「あ――……ごめんなさい、その……香り、が……」
あたふたと説明しようとしたけれど、うまく言えない。
「うん? ――なにか、匂う?」
眉をひそめ、自分のジャケットの袖や襟に鼻を寄せて匂いを確認しはじめたシンさん。
「あのっ、変じゃないんです! その……今日はいつものコロンのほかにもうひとつ甘い香りがあって、その香りがとてもよく知っているものだったからなんだったっけ、って思い出そうとしていたところなんです」
「コロンのほかに?」
あたしの言葉を聞いて「うーん……」と、シンさんが軽く考え込む。
やがて思い当たるものがあったのか、ぱっと明るい表情になって顔を上げ、
「ひょっとして――これかな?」
おもむろに、ジャケットの内ポケットからなにかを取り出した。
記憶の中から香りの正体を探ろうと思っていると、ふわりと窓からこっちに顔を向けたシンさんと目が合う。
「あ――……」
思わず声をこぼし、目と目が合ったまま硬直。
ふわり、と同じ香りがもう1度、少し強く漂ってくる。
「さつきちゃん?」
「あ――……ごめんなさい、その……香り、が……」
あたふたと説明しようとしたけれど、うまく言えない。
「うん? ――なにか、匂う?」
眉をひそめ、自分のジャケットの袖や襟に鼻を寄せて匂いを確認しはじめたシンさん。
「あのっ、変じゃないんです! その……今日はいつものコロンのほかにもうひとつ甘い香りがあって、その香りがとてもよく知っているものだったからなんだったっけ、って思い出そうとしていたところなんです」
「コロンのほかに?」
あたしの言葉を聞いて「うーん……」と、シンさんが軽く考え込む。
やがて思い当たるものがあったのか、ぱっと明るい表情になって顔を上げ、
「ひょっとして――これかな?」
おもむろに、ジャケットの内ポケットからなにかを取り出した。