初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「タバコは嫌い?」

「えと……」

 シンさんがタバコを吸うなんて、ちょっと意外だったけど。

 でも、似合わないわけじゃない。

 大人の男性なんだな――って、改めて認識させられちゃった感じがする。

「いいえ。この葉巻はいい香りだから、歓迎です」

 にっこりと笑って答えると、ほっとしたような表情になったシンさん。

「よかったー……駄目って言われたら、禁煙しなきゃなって思ったよ。――あ、でもさつきちゃんといるときは、ちゃんと控えるから安心して?」

「遠慮しないでくださいね? 今日も吸われたんでしょう? あたしなら大丈夫ですから。あ、ここが喫煙大丈夫な場所でしたら、是非――」

「あ、いや――今日吸った理由は、その……」

 辺りを見渡して喫煙が大丈夫かどうか確認しようとしていたあたしに、シンさんは急に口をもごらせながら、

「……さつきちゃんに会うから、その……朝から、ずっと緊張してて……がちがちで仕方なかったから、とりあえず落ち着かせるために、家で軽く……ね」

 あたしに会うから――落ち着くために……

「……あ、あははっ……でも本当に、普段は滅多に吸わないんだよ? 本当に、ごくたまに。たまーに」

 言ったあとで気恥ずかしそうにはにかみ、シンさんは言い繕うようにそのあと何度も「たまにだから」とあたしに言ってくれた。

 その様子が、なんだかすごく可愛かった――って言ったら、怒られちゃうかな?

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