初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「さつきちゃんは女の子だし、あまり遅くまで付き合わせちゃうと、ご両親が心配すると思うから、門限があるんならそれまでに送ってあげなきゃいけないと思って」

 隣を見上げると、真面目な表情でシンさんはじっとあたしを見つめてくれている。

「……」

 そういうことをちゃんと考えてくれているなんて――……

 やっぱり、シンさんはすごく大人で、しっかりした人なんだなって再認識。

 両親のいないあたしには、門限も心配してくれる人もいない。

 ……どうしよう、嘘をついて門限があるって言ったほうがいいのかな?

 それとも……自分のことを正直に言おうかな……?

 ……いいよね、シンさんになら。

 名前も正直に教えちゃったわけだし。

「あの……門限はないんです」

「――ということは、放任主義なの?」

「そういうわけでもなくて……その――」

 一呼吸置いて、あたしは自分の空になった紅茶のカップに視線を落とす。

 一瞬だけためらう。

「――あたし、両親がいないんです」

 けれど、正直に打ち明けた。
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