初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「去年の春に、交通事故で死んじゃったんです。2人一緒に、仲良く」

 ――こんな風に、両親のことを他人に話すことなんてなかったっけ。

 近所の人や同級生たちは、みんな事情を知っていたし、バイト先で知っているのは店長だけで、あとのメイド仲間には教えていない。

 だからこんな風に両親が亡くなったことを話すことなんて、今まで機会がなかった。

「とっても仲がよかったんです。娘のあたしのことなんて放っておいちゃうくらい、2人でラブラブしてて――ホント、呆れるくらい熱々カップルみたいだったんですよ」

 笑って話しながら、両親のことを思い出す。

「だから――いなくなるときも2人一緒で、また娘のことを放っていっちゃって……本当に仲がよすぎる人たちだったんです」

 いなくなった当初は、悲しくて寂しくて仕方なかったけれど。

 今はもう――大丈夫。

 たくさん泣いて、あたしは前を向いていこうって決心したんだから。

「親戚もいなくて――あたし、1人で暮らしているんです。だから門限ってないんです」

 そして笑いながら、

「あ、でも明日はバイトがあるので――それが始まるまで、が門限かもしれませんね」

 明るい口調で冗談めかして言った。
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