初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「……」

 ――すごく、どきどきする。

 顔が真っ赤になって、鼓動が早鐘を打ち鳴らす。

 両手で包み込んでくれるように、優しくそっと握ってくれている。

 すごく優しい握り方――そう、あの「缶コーヒー」のときに手を握られたのと同じ仕草だけど、今のほうがとびきり優しく感じてしまう。

 シンさんの温もりがじんわりと伝わってきて――とっても安心する気持ちになっていく。

 まるで魔法みたい――……

 その温もりを感じていると、どきどきしているのに落ち着く。

「さつきちゃんって、いくつかな?」

 手を握られながら、シンさんがそう聞いてくる。

「――16です」

「16歳で1人で生活しているなんて、すごいよ。誰にでも出来ることじゃない」

「1人じゃないですよ。――あたし、いろんな人に助けてもらって生きていますから……感謝しきれないくらいです」

 実際、あたしの生活はいろんな人の助けがあってこそ。

 タクミやエリはもちろん、近所の商店街の人やアパートの大家さん。

 みんながあたしを助けてくれるから、あたしはなんとか生きていられるんだって思ってる。
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