眼鏡と私とあなた


その後、家に帰った私はベッドにもたれこんだ。

「・・・告白されるなんて初めてだよなぁ・・・」

私は眼鏡をはずした。

くそ、何も見えない。

眼鏡を拭こうとしたのだが、順番を間違えたみたいだ。

私は再び眼鏡をかけ、眼鏡ケースから眼鏡ふきを取りだした。

はぁ。

私何告白ボケしてんだろ。

かっこわるっ。

「へー、告白されたんだぁ?」

気がつくと、横には兄の佐渡(サド)がいた。

「い、いつからそこに!?」

「え、眼鏡をはずしたときから?」

「てか、何で告白されたってわかんの!?」

「そーゆー顔してっから」

お兄ちゃんには何でもお見通しなのだ。

この、ビン底眼鏡からでも。
< 9 / 61 >

この作品をシェア

pagetop