ダブルベッド

 充は観念して、話すことにした。

「実は俺、デートすることになったんです」

「おー、そうか」

 それだけ?

 期待したほどの反応を得られなかったことに不満を覚えた充は、

「池田さんと」

 と付け足した。

「は? マジで?」

 その反応に、満足する。

「マジっす。でも、内緒ですよ」

 沢田は思いっきり眉間にしわを寄せて、充をまじまじと見つめた。

 へへん、いいだろう。

 美人席の池田桃香とデートだぞ。

 なんて得意気になっている充は、バラしたついでに相談してみることにした。

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