キスフレンド【完】
「あ……」
その時、ふと隣を歩いていた紫苑がその場に立ち止った。
どこか遠くのほうを見つめてほんの少しだけ険しい表情を浮かべた後、
「疲れたし、そろそろ帰ろう」
紫苑はくるっと方向を変えてさっき来た道を引き返し始めた。
「……紫苑?どうしたの?」
「家にこの間借りてきたDVDもあるし、帰って見よう」
「でも、今じゃなくても……」
「俺が今見たくなっちゃったから」
真っ直ぐ前を向いたまま歩き続ける紫苑。
その横顔にどこか焦りを感じて。
紫苑……どうしちゃったの?
不思議になって首をかしげたと同時に、
「……――紫苑く~ん!!」
背後で誰かが紫苑の名前を呼んだ。
その時、ふと隣を歩いていた紫苑がその場に立ち止った。
どこか遠くのほうを見つめてほんの少しだけ険しい表情を浮かべた後、
「疲れたし、そろそろ帰ろう」
紫苑はくるっと方向を変えてさっき来た道を引き返し始めた。
「……紫苑?どうしたの?」
「家にこの間借りてきたDVDもあるし、帰って見よう」
「でも、今じゃなくても……」
「俺が今見たくなっちゃったから」
真っ直ぐ前を向いたまま歩き続ける紫苑。
その横顔にどこか焦りを感じて。
紫苑……どうしちゃったの?
不思議になって首をかしげたと同時に、
「……――紫苑く~ん!!」
背後で誰かが紫苑の名前を呼んだ。