好きだから。 *短編*
──別れた?
「え?え?何言ってんの?」
「バーベキューのとき、拓也さんがハルに告ったって言ったときから、俺変で…。
ハルが誰かの彼女になるなんて嫌で。
おれが上の空でいるから美咲も勘づいて…
好きな人できたでしょ?って言われたからうんって言ったらビンタされて、
で、別れた。」
「だってだって!あんな好きだったじゃん…私に毎日のろけ話聞かすくらい…何で…?」
涙があふれそうになる。
「ハルが、ハルが好きだからだよ。
昨日、食堂で“明日返事します”って拓也さんに言ってたからすげー探したんだよ。
でも、間に合わなかった。」
「…間に合ったよ、宏樹。」
「へ…?」
「私、拓也さんの…断ったもん。
私はやっぱり宏樹が好きだからって。」
「ま…じ?」
「うん、」
私がうんって言った瞬間、宏樹が私を抱き締めた。
「好きだよ、ハル。
すげーすげー好きだよ。」
「私も、宏樹のこと、ずっと好きだったんだから…毎日毎日美咲ちゃんの話し聞かされてつらかったんだから…」
「ん…ごめんな。もうこれからはハルだけだから。」
そう言っておでこにキスをしてくれた。
私はひたすら涙が止まらなくて、宏樹の胸で泣き続けた。