俺様彼氏と空手彼女2
「あ。それで森崎先輩にお使い頼まれて来たんです」
お使い?
葵ってば、後輩をパシリに…。
「お弁当、取ってこいって」
「お弁当?葵の?」
「はい。今日は忙しいみたいで、昼休みは生徒会室に籠もるみたいです」
「そんなに忙しいんだ」
「丁度、色んな行事や雑務が重なってて…。でも今だけですから」
「そっか。じゃあ、はい」
私はいつもどおり自分のカバンからお弁当を出して、瑞代さんに渡す。
「…愛妻弁当ってホントなんだー……」
「えっ!?」
瑞代さんが思わず呟いたらしい言葉に、私は焦った。
自分のカバンから葵のお弁当を出すなんて、私が作りましたって言ってるようなもんじゃない!!
すっかり習慣になっていて、なんの違和感もなく出していた私に思わず苦笑する。
「あわわ、す、すいません!!なんでもないです!!えっと、じゃあ失礼します!」
「あ、ちょっ…」
瑞代さんは顔を真っ赤に染めて、慌てて教室を出ていった。
なんか、どうしよう…。