俺様彼氏と空手彼女2
「誤魔化さない誤魔化さない」
「誤魔化してなんかっ…」
「毎週お弁当作って?ほぼ毎日一緒に登下校して?さらには、頭なでなで?これのどこがラブラブじゃないってのよ?あぁ?」
玲菜…、恐すぎだから…。
「ま、それだけ大切に想われているっていうことよ」
「そうなのかな…」
「そうよっ…と?あれ?」
「どうしたの?」
「ねぇ、コレ誰の?」
そう言った玲菜の視線の先には。
机の端に置かれたプラスチックの箸。
あれ?なんでここに?
「…しまった!コレ葵の!」
「えぇえ!?森崎くん可哀想に。愛しの璃依の愛妻弁当が食べられないじゃない」
「うん…、って、だから愛妻弁当じゃないって!」
「とりあえず、持って行ってあげれば?生徒会室でしょ?」
「うん、そうするね。悪いけど、食べてて」
「わかったー」
あああ…。
私としたことが、まさか箸を渡し忘れるなんて。
葵、きっと今ごろ困ってるだろうなぁ。