陰陽(教)師
「龍穴が関係してるかはわからないが、木下の不調の原因は、この台所にあるようだ」

「台所?ここ?」

「式占の結果はそう出ている」

鈴子はお茶の道具を探すことも忘れ、台所を見回した。

そうは言われても、台所はただの台所だった。

「何か心当たりはあるか」

「うーん…」

鈴子は首をかしげた。

「まぁ木下は台所を使わないみたいだからな」

晴明のこの一言が、鈴子の動きを止めた。

それはそうだろう。

意中の男性に【あいつは料理をしない(できない)】と知られるのは、あまりよろしいものではない。

「先生、そのこと誰から聞いたの」

「三池がそう言っていたが」

『三池め!フルボッコ決定!!』

鈴子は胸の奥底で握り拳を作った。

「あ、でも先週料理したよ!」

「何を作った」

「買ってきたパックのコーンポタージュを…」

「温めただけか」

「ぎゅ、牛乳いれたもん!」

だから何だという話だが、その事に鈴子は気づかない。

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