陰陽(教)師
晴明は会話を断ち切るように、タブレットの画面をタッチした。

そして、切り替わった画面を鈴子の眼前に差し出す。

画面には折り紙で作る人形のようなものが映し出されていた。

「なにコレ?」

「この人形(ひとがた)に息を吹きかけてみろ」

鈴子は首をかしげつつも、晴明の言葉に従った。

すると画面に「急急如律令」という文字が浮かんだ。

「その文字をタッチしろ」

鈴子は言われた通りにタッチしたが、画面には何も変化は起きなかった。

「特に異常なしか」

晴明は画面を見ながら言った。

「先生、コレなに?」

「これは木下に【ケガレ】がないか見る、撫物(なでもの)というアプリだ」

「【ケガレ】?」

「誤解するなよ。別に木下が汚れてるとか、そういう意味じゃない」

陰陽道でケガレとは、病気や死の原因とされているものである。

そして陰陽道には、そのケガレを祓う呪法がある。

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