陰陽(教)師
観念した鈴子は晴明のもとに歩み寄り、背を向けると、晴明の脚の間に座り込んだ。

「こ、これでいいですか…」

いつもの調子はどこへやら。

鈴子は完全に敬語になっていた。

「明かりを消せ」

「せ、先生、む、ムードも大事なんですか」

「もし木下の不調の原因が妖怪の仕業だとしたら、明かりは邪魔だ」

「な、なんで?」

「妖怪は陰の気の存在。だから明かりは邪魔なんだ」

わかったかと言われ、鈴子は何度もうなずいた。

そして震える唇で何かをつぶやくと、天井のライトが消えた。

「完全に消さなくてもいい」

「りょ、了解です」

鈴子が再び何かをつぶやくと、ライトに薄明かりが灯った。

「ウィル・オー・ウィスプを照明代わりにしているのか」

鈴子がつぶやいていたのは精霊語であった。

「節電対策バッチリだな」

そう言うと晴明は、鈴子の身体に手を回した。

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