陰陽(教)師
「ひゃぁぁぁ!」

「妙な声を出すな」

「だってだって!」

暗い部屋で異性に抱きしめられれば、年頃の娘は皆、同じ反応を返すだろう。

相手が好意を寄せている人物ならなおさらだ。

「せ、先生、あたしムリ…ヤバい…」

鈴子は心臓がありえないビートを刻むのを感じていた。

おまけに視界がぐるぐると回っている。

過呼吸に、めまい。

確かにやばい。

「これでは身固めにならないな」

先の先まで真っ赤になった鈴子の耳に、晴明が小さく言った。

そのささやきに、鈴子の心臓はさらに速さを増す。

「あ、あたしがこんなになってるのに、なんで先生は冷静なの!」

羞恥を通り越して怒りに到達したらしい。

鈴子は目を回したまま、抗議の声をあげた。

「現役女子高校生を抱きしめているのに、その反応はないでしょ!」

背中に感じる晴明の心臓は、それはそれは規則正しい鼓動を刻んでいた。

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