陰陽(教)師
「前の先生、だいぶまいってたよね」

鈴子は人差し指を口もとにあてた。

前任者の話は、晴明も聞いていた。

真面目で仕事熱心な霊能力者だったが、『活動』をはじめて半年で体調を崩し、ドクターストップがかかった。

副担任は担任より教師としての仕事が少ない分、力仕事の『活動』が多くなる。

とはいえ、怪事のひとつひとつに対処していては体が持たない。

したがって、担任と相談しながら『活動』にあたることになる。

「前の先生、霊力はかなり強かったけど、逆にそれがマズかったっていうか…」

「オレらが雑魚みたいに思ったもんにも、イチイチ反応してたもんな」

前任者はどうやら担任とのコミュニケーション不足だったようだ。

ベテラン教師の矢尾と組んで半年で潰れるなど、普通あり得ない。

真面目ゆえに活動にも力が入りすぎていたということか。

「着いたぞ」

晴明はある一軒家の前で足をとめた。

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