陰陽(教)師
「ここって…」

一軒家を眺めながら鈴子がつぶやいた。

「ここって、有名なオバケ屋敷じゃん」

「知っていたか」

「知ってるよ。この家で一人暮らしをしていたお婆さんが亡くなったんでしょ」

「死んでずいぶんたってから発見されたっていうぜ」

嵩史も口を開いた。

「死因は餓死だったんでしょ」

「それで化けて出るようになったとか」

二人の言葉に、晴明はいちいちうなずいた。

「こないだ東高(ウチ)の三年の女子が、ここへ来たって聞いたぜ」

「怪奇画像撮ってTV局に売りつけようとしたチャラい彼氏にムリヤリ連れてこられたそうよ」

「そしたら化けて出た婆さんに捕って喰われたってさ」

「さすがにそれは違う」

嵩史の言葉に晴明は首を振った。

「そうよ。殺されたならニュースになるでしょ」

鈴子が小馬鹿にしたように言う。

「じゃ実際のとこはどうだったんだよ」

嵩史は鈴子に向かって唇を尖らせた。

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