陰陽(教)師
「そこまでは知らないわよ!」

「逆ギレすんな!」

「二人は家の中で気を失ってるところを発見された」

晴明は二人の間に割って入った。

「命に別状はない。ただ、大きなショックを受けたようで、現在も入院中だ」

医師はPTSD(心的外傷後ストレス)と診断しているが、その原因は不明となっている。

「捕って喰われただなんて、噂ってホントいい加減だよな」

「なに言ってんの。あんたソレを真に受けてたじゃない」

「それは…!」

「何にせよ、入院した二人が何かを見たのは間違いない」

「二人は何を見たのかしら?」

「そりゃ、化けて出た婆さんじゃねぇの」

「それを今から確かめに行くんだよ」

晴明は鈴子と嵩史を家の敷地へ促した。

三人が家の玄関に立った時、右手側で何かの気配が動いた。

そこにいたのは黒い着物姿の男。

二人の男女がこの家に入ったあの夜、家の外にいた男であった。

「な、なんだてめぇは!?」

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