陰陽(教)師
晴明はそう言うと、三和土へ足をかけた。

「ちょ、先生、土足で上がるの!?」

鈴子が目を丸くした。

「大丈夫だ。管理会社には話を通してある」

「でも…」

「靴を脱いでいったら、逃げる時に支障が出る可能性あるからな」

「先生」

嵩史が口を開いた。

「さっきオッさんに三人とも戻らなかったらって言ってたけど、ここそんなにヤバいわけ?」

嵩史はヒゲを動かしながら眉間に皺を寄せた。

猫の額というが、その皺ははっきり見えた。

「最悪のことを想定しただけさ」

晴明は、そう事も無げに言った。

「先生」

「安心しろ」

晴明の口調が変わった。

「俺は教師だ。生徒は絶対に守る」

そう言った後で、晴明は破顔した。

「だから怖がるな三池」

「怖がってねーよ!」

「三池はツンデレだからねー♪」

「だからどうしてそうなるんだよ木下ァ!?」

嵩史は猫の顔のまま、牙をむく。

その毛は完全に逆立っていた。

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