陰陽(教)師
「空き家のわりに、中はずいぶんキレイね」

光球に照らされた家の中をあちこち眺めながら、鈴子は言った。

「管理会社の人間も、それを不思議がっている」

「お婆さんが自分で掃除をしているのかしら」

「そうかもな」

晴明は小さく笑った。

「先生、管理会社の連中は婆さんが化けて出るとこは見てねーんだろ?」

嵩史はヒゲを動かしながら言った。

もう顔を人間のそれに戻すつもりはないようだ。

「よくわかったな」

「具体的な話は聞けてねーから、直接ココへ来たんだろ」

何を今さら、という口調で嵩史は言った。

「三池の言う通り、老婆の姿を見た者は誰もいない」

「やっぱり」

「どうして死んだお婆さんが化けて出るなんて話になったのかしら」

「そのきっかけは新聞記事だ」

「?」

晴明の言葉に、鈴子はよく分からないという顔をした。

「孤独死した老婆の記事が新聞に載ったんだ」

「そういやニュースでもやってたぜ」

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