陰陽(教)師
嵩史の言葉に晴明はうなずいた。

「その新聞やニュースを見た物好きたちが肝試しでこの家を訪れるようになった」

誰かが『何か』を見たわけではない。

しかし、ある者は何かの気配を感じ、またある者は『ひもじい』という声を聞いた。

それぞれの事実に尾ひれがつき、様々な噂となり、それがさらに人を呼んだ。

そして先日、若い男女が病院送りになるという「事件」が起きた。

「突然何かが、牙をむいたってことか」

自分の牙を見せながら、嵩史は言った。

「でもよ、先生。怪しげなことがアレコレ起きてんだから、その筋の連中がさっさと手ェ打ちゃ良かったんじゃねぇの?」

「実害がなければ、警察の専門部署は動けないんだよ」

霊的な力が強い地域の警察署には、怪事に対応する専門部署が置かれている。

無論、一般にその存在は知られていない。

「でも結局は先生が担当してるじゃねーか」

「被害者がうちの学校の生徒だったからな」
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