陰陽(教)師
もし被害者側に非があったとしたら、警察は学校には踏み込み辛い。

霊や妖怪という、ただでさえ特殊な案件なのに、未成年を相手にしなければならないからだ。

何より、保護者たちの目がある。

「で、警察じゃなくて教育委員会が動くことになったわけなの?」

「その筋のな」

鈴子の言葉に晴明はうなずいた。

警察と同様に、霊的な力が強い地域の教育委員会には、怪事に対応する専門部署がある。

その教育委員会の専門部署に所属するのが、晴明や矢尾のような教師だ。

学校という、一種の聖域のような場所では、教師の方が自由に動けるからである。

「とか言って、先生」

嵩史が意地悪そうな笑みを浮かべた。

「警察に都合よく押しつけられただけじゃねーの?」

猫の顔をしていても、わかる笑みであった。

「きっと警察も人手不足なのよ。先生かわいそ」

嵩史と鈴子に口々にそう言われ、晴明はただただ苦笑するしかなかった。

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