陰陽(教)師
その膨張がようやく収まった時、天井は口を開けるほど高くなり、壁に至っては地平線の彼方にあった。

「幻覚を見せられてるのか、結界に閉じ込められたのか」

晴明は首をかしげた。

そのまま屈み込み、畳に触れる。

「この畳は何万畳…いや何億畳だ?」

「先生、呑気な事やってる場合じゃねぇって!」

嵩史が叫んだ。

「入口もどっか行っちまったぜ!?」

完全に脱出不可能な状況になっていた。

「ねぇ、アレ見て!」

鈴子が天井の一画を指した。

そこには無数の塊がわだかまっており、所々に光る点が見えた。

鈴子は再び光球を天井に向かって飛ばした。

すると塊の幾つかが反応し、光球に飛び掛かってきた。

しかし光球はそれらの攻撃をすり抜けると、鈴子のもとへ戻ってきた。

塊のひとつがこちらに向かって飛んで来た。

嵩史が両手を掲げた。

その手は人間のそれではなく、獣のそれに変化していた。

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