陰陽(教)師
晴明が印を解くと、炎は消え去った。

法輪たちも何事もなかったかのように戻ってきて、そのまま消え失せた。

天井を見上げると、虫怪は一匹もいなくなっていた。

「先生、すごい!」

鈴子が晴明の腕にしがみついてきた。

「あれだけの敵を一人で倒しちゃうなんて、信じられない!」

きらきらと輝く瞳で晴明を見る。

「はしゃぐのはまだ早いぞ」

晴明は鈴子を腕からそっとひき離した。

「この部屋から出る方法を調べないとな」

確かに、部屋はまだ膨張したままだった。

当然入口も消えたまま。

「でも、ンなモンどーやって調べんだよ?」

嵩史は獣の手で器用に頭をかいた。

「こいつを使うんだよ」

晴明はスーツのポケットから携帯を取り出した。

「すごい!スマートフォンじゃん!」

鈴子が「いいな」を連呼する。

晴明はその様子に苦笑しながら画面をタッチしていった。

「なにコレ?」

画面をのぞき込んだ鈴子が首をかしげた。

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