陰陽(教)師
画面に現れたのは十二支や様々な方角が書いてある円盤であった。

「これは式盤(ちょくばん)という」

「式盤?」

「わかりやすく言うと、占いの道具だ」

この家には尋常でない妖気が満ちている。

それがおびただしい数の虫怪を呼び、実体化させた。

もしかしたらこの家で死んだ老婆があのような姿になったのも、この家に満ちた妖気のせいかもしれない。

「だからその妖気の源が何なのか、何処にあるかをこいつで調べるのさ」

その源を絶つことによって、この部屋から脱出できるかもしれない。

晴明はそう結んだ。

「なぁ、先生」

「どうした三池。占いに託すのは不安か?」

「そうじゃねぇけどよ」

嵩史は画面を指した。

「このケータイ、式盤なんてもんがツールにあんのか?」

それは素朴な疑問であった。

「いいや。これはツールじゃない」

晴明は首を振った。

「式占(ちょくせん)という、陰陽道の占術を扱うアプリだ」

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