陰陽(教)師
晴明の問いかけに、鈴子は笑顔を返すと、羽織っていたコートのポケットから金色のブレスレットを取り出し、左腕にはめた。

ブレスレットには爪ほどの大きさの石が三つ、はまっていた。

どの石も、黒・白・茶・灰の縞模様が入った石だった。

「レイヴン」

鈴子が短くそう唱えると一本のホウキが現れた。

鈴子は躊躇なくそれにまたがる。

「じゃ、行ってくるね」

鈴子とホウキがふわりと浮かび上がった。

「気をつけろよ、リン」

晴明の言葉に、鈴子は一瞬固まった。

「先生、いまリンって呼んでくれた?」

「お前がそう呼べと言ったんだろうが」

「うれしい!」

鈴子は感無量といった表情で両拳を握りしめた。

「先生、あたしガンバるからね!」

「無理はすんなよ」

「うん!」

鈴子はスカートの裾をはためかせながら、天井に向かって飛び立った。

「先生」

鈴子を見送りながら、嵩史は淡々とした口調で言った。

「先生って女殺し?」
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