狐に嫁入り!?
少し迷いが生じつつも、部屋の前まで戻った。
皐月さんの姿はなくてホッとした。
部屋へ入るとウタクは不機嫌そうに顔をしかめていた。
「遅い」
一言述べるとわざとらしく欠伸をした。
「仕方ないじゃない……トイレ遠いし、お腹の調子悪いし。しかも……皐月さんから衝撃的なこと聞いちゃったし」
「なんだ?俺のことが好きだとでも聞いたのか?」
「ウタク!わかってたの!?」
ウタクは当たり前だと言わんばかりに、呆れのこもったため息をつく。
「俺は全く興味ないが」
吐き捨てるように言うと、ウタクは立ち上がった。