悪い女-side廉-

一人暮らし、っていうのは良い口説き文句にはなるだろうけど、使わない。

なんで?と聞かれれば「面倒くさいから」と素直に答えたかもしれない。

押しかけられるのも、入り浸られるのも、痕跡を残されるのも煩わしい。

唯一、何度も訪れたのはそんな事絶対しない女だけ。もう来る事もないだろうけど。


「れんくん、あたしれんくんと一緒にいると楽しいよ」


雪乃ちゃんがクイと制服の裾を引いて、見上げた。…いやぁ、だからまじで可愛いって☆


「雪乃ちゃん♪今日も可愛いー」


「れんくん…恥ずかしぃよ」

「やばっ、ココで襲っていい?」

「もぅっ」


緩い笑顔を作りながら、軽い俺は至っていつも通り。


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