悠久の島

天使と言う名の意味

「天使はね、天から来たんじゃないの、地上から這い上がったのよ。」

なぁ ぼくの使命は 天使になる事なのか?

少女の言葉を思い出す そのたびに思う事だ

羽があるから天使 そう言うのなら

空を飛んでいる鳥達も 天使なのだろう


ぼくは世界の中心を目指している

だからと言って そこで愛を叫ぶつもりではない

「天使?いや、見間違えだろう・・・」

どこからか聞こえてきた 地上からだ

目を凝らして地上を見た とてつもなく広い砂漠だ

そこを人が歩いている 人数は丁度八人

探している英雄達と同じ数だった

そのうちの一人の少年がぼくの方を見ている

目と目が合った 少年にはぼくの事が見えるのだろうか

「竜斗、何をやっている、早く行くぞ。」

男が少年に声をかけた

竜斗というのは この少年の名前なのだろう

どこか懐かしい響きを感じた

そして 彼らがぼくの探している英雄なのかもしれない

歩いていった足跡を見た

やはりそうだった ぼくは彼らの跡をつけて行く事にした
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