指先の魔法
ハルカが帰ってからカズマはお手洗いに行く
そこでカズマは目を見開く
「…嘘だろ…」
手荒いの鏡、何度目をこらして見てみても
自分の姿が写っていなかった
ぱっと爪を見れば右手の親指にあったハートがひとつ消えていた
残りは9つ
「…ハルカ」
カズマはその場にしゃがみこんで愛しい人の名を叫ぶ
何回も
何回も
何回も
何回も
目の前の何も写っていない鏡が見せるのは、自分が死んだという現実
「ハルカ…」
カズマに残された時間は思ったよりも短いらしい
カズマは顔をばしゃばしゃ洗うと頬をぱちんと叩いた
「よし…!」
目的を忘れてはいけない
カズマは意気込み、明日の予定を立てた